地理空間情報オープンデータと自治体統合型GISの行く先は?

オープンデータの専門家である加藤 文彦さんが2014年新年のブログ
http://gihyo.jp/dev/column/newyear/2014/opendata-prospect
書かれているように、自治体の地理空間情報がオープンデータとして、公開されていくことが期待されているようです。

以下引用:
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「国のデータカタログサイトは先月できたばかりですし,地方自治体は一部の先駆者達が駆けている段階で,日本の行政のオープンデータはやっとはじまったというところです。2014年は日本の行政オープンデータ飛躍の年と言われるかもしれません。
自治体については,昨年の傾向から今年流行りそうなデータ公開は育児関係と地理関係だと思っています。
地理関係については,昨年後半にいくつかの自治体がshapeファイルを公開するようになりました。まず保有しているshapeファイルを出して,それをさらにGeoJSONのようなオープンフォーマットでも提供するといった事例が出てくるのではないかと予想しています。」
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去年はオープンデータ・ハッカソン・アイデアソンブームの中で
オープンデータ公開に取り組む地方自治体が増え、
その中で地方自治体が整備する地理空間情報をCCライセンスで2次利用について明確に規定したオープンデータとして公開する事例が始まりました。
地理空間情報に携わる者としては、後から振り返った時に、地理空間情報オープンデータが公開された記念すべき年であったと思い出される2013年だったのかもしれません。

2013年は4件の地方自治体の地理空間情報オープンデータ公開がありました。

open_data_shizuoka


2013年8月30日
静岡県ふじのくにオープンデータカタログ
http://open-data.pref.shizuoka.jp/




室蘭市/むろらんオープンデータライブラリ


2013年8月30日
室蘭市/むろらんオープンデータライブラリ
http://www.city.muroran.lg.jp/main/org2260/odlib.php




福井県鯖江市>鯖江市域地図データ(shape)


2013年9月4日
鯖江市域地図データ
http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=13892




http://gihyo.jp/dev/column/newyear/2014/opendata-prospect130" />地理情報のオープンデータについて | 板橋区


2013年12月26日
板橋区 地理情報オープンデータ
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/058/058298.html




静岡県、室蘭市、鯖江市の3都市は、公開時期は多少、前後しますが、ほぼ9月、同時期の公開でした。
この地理空間情報オープンデータ公開には2つのパタ-ンがあるように思います。

パタ-ン1は、静岡県と室蘭市さんのように、自治体GIS・地理空間情報について担当しておられ、地理空間情報への理解がある自治体担当者さんが、地理空間情報をオープンデータとして公開された事例。
静岡県の担当の方は、むしろ地理空間情報の方がオープンデータとして公開しやすかったとどこかでおっしゃっておられました。

パタ-ン2は、鯖江市さんのように地理空間情報の自治体担当者でない方が、地理空間情報担当部門を説得、庁内合意をされて、地理空間情報をオープンデータとして公開された事例。
鯖江市さんは、日本のオープンデータの草分けとして、位置情報のない行政情報に位置情報を付けてオープンデータ公開するという「位置情報付き行政施設オープンデータモデル」を作り上げられた自治体さんです。
しかし、オープンデータの担当者さんは、地理空間情報を担当しておられる訳ではなかったので、地理空間情報を作成しておられる部門へオープンデータ公開の説得、庁内合意をされて、地理空間情報をオープンデータとして公開されたのではないかと思います。おそらくパタ-ン2でオープンデータ公開を実現できたのは、鯖江市の市としてのオープンデータ方針とオープンデータ担当者さんの熱意と人柄によるところなのだろうと推察しています。

今年は地方自治体の地理空間情報オープンデータ公開の数が増えてくるだろうと思います。

自治体でのGISや地理空間情報を専門にする者としては、
世間で言われている「位置情報付き行政施設オープンデータ」作成・公開によるイノベーションやオープンガバメントの進展への期待よりは、
むしろ、日常、地方自治体が作成・更新している都市計画図、道路台帳図、上水道・下水道台帳図などの法定図面を、オープンデータの位置づけで2次利用可能な電子情報として公開することによる
自治体のお膝元である地元業者への電子図面利用による業務効率化、IT化の進展の方が、直接的な効果が高いように感じています。

行政が電子的に作成した図面情報利用ニーズについては、
オープンデータなどといわれる以前から、
地図製作会社が電子的な情報公開請求を全国の自治体に対して行い、それに対する行政対応と情報公開の観点からの裁判とその判例も、いくつかあり、電子的な地理空間情報の利用ニーズは、以前からも高かったことがうかがえます。

この話を最初に知った時は、1つの企業が大量の情報公開請求を行うことによる行政の情報公開事務手続きの煩雑さの観点から、反射的に拒否感を感じたものでした。

しかし、よく考えてみると
「地理空間情報活用推進基本法」
(基本理念)
第三条
6  地理空間情報の活用の推進に関する施策は、地理空間情報を活用した多様なサービスの提供が実現されることを通じて、国民の利便性の向上に寄与するものでなければならない。
7  地理空間情報の活用の推進に関する施策は、地理空間情報を活用した多様な事業の創出及び健全な発展、事業活動の効率化及び高度化、環境との調和等が図られ、もって経済社会の活力の向上及び持続的な発展に寄与するものでなければならない。
8  地理空間情報の活用の推進に関する施策を講ずるに当たっては、民間事業者による地理空間情報の活用のための技術に関する提案及び創意工夫が活用されること等により民間事業者の能力が活用されるように配慮されなければならない。

で、全ての地理空間情報を対象として、第三条でうたわれていることを考えると、そうでもないのかと思いました。
地理空間情報の活用による民間での新たなサービスの展開など、地理空間情報産業創出のためには、基盤地図情報だけでなく、行政全体の地理空間情報についても、公開して、利用してもらっていくことは必要なのではないか。
というかむしろ、情報公開請求されるまでもなく、こちらから電子情報として公開・提供していく必要があるのではないかと当時、思った記憶があります。

このことが「オープンデータ」という観点で進みつつある現在、
パタ-ン1のように地方自治体の地理空間情報の整備・更新に携わる方々に、オープンデータの意義を知ってもらい、地理空間情報担当者主導で地理空間情報オープンデータ公開事例を増やしていくことも、自治体のGISや地理空間情報の整備、更新、利活用に携わる者の重要な役割の1つになっていくのではないかと感じています。


また、先日立ち上がったDATA GO JPは、オープンデータの集約サイトとして、先行するOpen DATA METI、CKAN、Linked Dataと乱立することなく、うまく統一されていければよいなと思っています。
ただ、地理空間情報を主に扱っている視点からすると、DATA GO JPを始めとした現在のオープンデータ集約サイトは、地理空間情報オープンデータのプラットフォームとしては、使い勝手がよくないなと思っています。
地理空間情報の場合は、そのデータの中身を確認するために、データをダウンロードして、GIS上に展開して初めてどのような地図情報なのか分かるというところがあります。そのため、テキストベースのオープンデータとは、すこし違うように思います。
もちろん、オープンデータカタログサイトとのリンクなどの連携をすることは必要ですが、その上で、地理空間情報オープンデータの検索、確認、入手サイトとして、WebGISの地図上で、どのような地理空間情報なのかを確認して、オープンデータとしてダウンロードできるWebGISのプラットフォームがあるとよいなと感じています。

徳島県総合地図提供システム



そういった事例として注目しているのが、2013年11月1日に公開された
「徳島県総合地図提供システム」です。
http://maps.pref.tokushima.jp/
「徳島県総合地図提供システム」の一般公開について
http://www.pref.tokushima.jp/docs/2013110100094/


この徳島県の自治体統合型WebGISは、
見た目はこれまでよくあった自治体の地理空間情報を閲覧できる自治体統合型WebGISなのですが、
名称が「総合地図提供システム」と言っているように
自治体の地理空間情報をここからダウンロードできるようになっています。
つまり、統合型WebGISでどのような地図情報なのかを確認した上で、地理空間情報をオープンデータの位置づけでダウンロードして、2次利用することが可能なように作られています。
そのような統合型GISの使い方は、おそらく日本で初めてです。
2014/01/03現在、ダウンロードできるのは、学校位置情報などの点情報だけですが、今後、面情報などの地理空間情報もオープンデータとして、ダウンロードできるように整備される予定のようです。
このような自治体統合型WebGISは、自治体の地理空間情報オープンデータのWebGISプラットフォームとなるのではないかと思います。





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あと、本システムがGIS関連のオープンソースソフトウェア
FOSS4G(Free Open Source Software for Geospatial 地理情報分野用途で、無償でソースが公開されているソフトウェア群)によって作られている点も、特徴的です。




これまでの自治体GISは、
1.自治体の課など組織内での地理空間情報の共有化

2.自治体内他部署との地理空間情報の共有化

3.自治体外(市民・民間業者)への地理空間情報の閲覧
と発展してきたように思いますが、
今後は
3.5 自治体外(市民・民間業者)へのマップ配信とかAPI利用
を経て、

4.自治体外(市民・民間業者)への地理空間情報オープンデータの提供
をになう地理空間情報オープンデータの提供プラットフォームとなっていくのではないか、
むしろ、そうなっていかないと
googleマップを初めとする民間の使い勝手のよい地図提供サービスがある中で、
市民・民間業者への自治体統合型GISの存在意義はないのではないかと感じています。

さらには、

5.自治体外(市民・民間業者)との地図をベースにした相互の情報やりとりができるプラットフォーム
GISの世界では「参加型GIS」といわれるもの、
最近では、FixMyStreetのような双方向での情報連携による「ガバメント2.0」、「オープンガバメント」「新しい公共」といわれるもの
へのプラットフォームとしての役割が期待されていくではないかと
今年の初めに少し思うところです。



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(もう、何年、同じこと言っとんねん!)
(大体、あんた。佐幕派でしょが!)
最近、夜が明けたかと思ったら、GISはスマホ地図としてみんなに知られて、いまや誰もGISとは言ってくれません。。

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